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  1. 神戸市議会 2014-05-28
    開催日:2014-05-28 平成26年文教こども委員会 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時0分開会) ◯委員長岩田嘉晃) おはようございます。ただいまから文教こども委員会を開会いたします。  なお,大野委員及び栄木委員より,所用のため,本日,委員会におくれるということでお聞きしておりますので,御報告申し上げます。  本日は,教育委員会所管事項のうち,土曜日を活用した教育あり方について参考人からの意見を聴取するほか,当局からの報告の聴取を行うため,お集まりいただいた次第であります。  なお,こども家庭局にも出席いただいておりますので,御了承願います。  次に,写真撮影についてでありますが,本日の委員会の模様を事務局写真撮影いたしますので,御了承願います。  次に,本日は,京都教育庁指導部学校教育課学力担当課長木上晴之様並びに同課総括指導主事栗山享典様を参考人として招致し,土曜日を活用した教育あり方について意見を聴取した後,各委員から参考人への質疑を行いたいと考えておりますが,御異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 2 ◯委員長岩田嘉晃) それでは,さよう決定いたしました。 (教育委員会) 3 ◯委員長岩田嘉晃) それでは,これより参考人としてお越しいただきました木上様,そして栗山様,お二方より御意見をお聞きしたいと存じ上げます。  お二方におかれましては,意見陳述をお願いいたしましたところ,御多忙にもかかわりもせずお引き受けいただきまして,まことにありがとうございます。  それでは,早速,お二方より意見を賜りたいと存じますが,予定といたしましては,木上様より25分程度,栗山様より15分程度意見を陳述いただき,その後,委員からの質疑時間を予定しておりますので,よろしくお願い申し上げます。  まず,木上様,よろしくお願い申し上げます。 4 ◯参考人 失礼いたします。  まず,本日,神戸市議会文教こども委員会先生方におかれましては,大変お忙しい中,貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。土曜日を活用した教育あり方につきまして,京都教育委員会のこの数年の取り組みにつきまして説明をさせていただきたいと思います。  まず,京都教育委員会の本日出席いたしております職員を紹介いたします。  私の左側なんですけども,京都教育庁指導部学校教育課栗山総括指導主事でございます。現在,総括指導主事を務めておりますけども,昨年3月までは土曜活用を実際に行っている学校の校長をいたしておりました。実際,現場で活動しておりましたので,そういう意見が言えるかと思います。  それと,私は,同じく学校教育課学力担当課長の木上です。昨年から土曜活用の担当ということで,それまではいわゆる教育事務所というところで次長をしておりました。よろしくお願いします。
     ちょっと座って説明させていただきます。  それでは,本日でございますけども,まず資料の確認をさせていただきたいんですけども,土曜日を活用した教育在り方についてというものと,もう1つ,土曜日を活用した教育在り方について資料集の2種類を御用意させていただいております。  まず,土曜日を活用した教育在り方についてなんですけども,1ページのほうをちょっとごらんください。  まず,京都教育委員会のほうなんですが,京都府のざっとした概要を説明させていただきますけども,京都府は,政令指定都市であります京都市を除く地域小・中学校を管轄しておりまして,小・中学校数児童生徒数教員数の概要は,昨年25年5月1日現在の学校基本調査からなんですけども,京都市を除く地域におきましては,小学校学校数が231校,児童数が6万4,707名,教員数が4,457人となっております。同じく京都市のほうが172校,児童数が6万3,871人,教員数が3,863人ということで,児童数において大体ほぼ同数というような状況です。同様に中学校のほうも,京都市を除く地域が99校,3万2,465人と教員数が2,580人で,同じく京都市が75校,生徒数が3万1,017人,教員数が2,280人という形になっております。  それともう1つ,京都府のいわゆる教育事務所というのがありまして,京都府では教育局と言うんですけども,そちらのほうが,教育事務所は5カ所で管轄の教育委員会が24というふうになっております。  それで,続きまして,2ページのほうをごらんいただけますでしょうか。  土曜日を活用した教育在り方検討会議というのを平成23年の5月に設置いたしております。なぜこのような検討会議を設置したかといいますと,学習指導要領のほうの全面改訂が,小学校の場合は平成23年度から,中学校の場合は平成20年度から全面実施ということで,指導内容でありますとか授業時数が増加しているということがあります。  一方で,完全学校週5日制が平成14年度に実施されましてから10年ほど経過いたしまして,こういう学校週5日制の趣旨が生かされているかどうか,つまりは学校家庭地域社会,それぞれが協力して,子供たちに豊かな社会体験でありますとか自然体験など,そういったさまざまな活動を提供しながら,子供たちがみずから学び,みずから考える力,豊かな人間性など,生きる力を育むという,そういった目的が達成されているかというのをちょっと一方で考えまして,改めて土曜日の教育あり方を検討しようじゃないかということでこういう検討会が設置されております。  23年検討会議のところでは,保護者教職員を対象にアンケート実施しまして,24年の2月には検討会議まとめを提出しております。  この点線部分のところが学校週5日制における教育活動の現状と課題ということで,アンケート結果も含めながら掲載をいたしております。  その当時,地域社会における体験活動状況はどうかといいますと,京のわくわく探検事業,これは,土曜日でありますとか平日の放課後に,小学校や公民館で,そういったところを会場としまして自然体験とか昔遊びなど,さまざま体験を行っていたんですけども,それが6つの市町でやっておりました。それと,あと京のまなび教室,これは,先ほどの京のわくわく探検事業にさらに学習活動も含めた体験活動ということで,これが80カ所されています。それと,総合型,開放型地域スポーツクラブ,これは御存じのとおり,学校のグラウンドでありますとか体育館を活用して地域住民とか子供たちと交流しながらスポーツを行うという,そういった取り組みが41のクラブになっています。その当時,こういった取り組み状況はちょっとばらつきが見られまして,熱心にやっている地域であるとか,余り進んでいない地域とか,いろいろという形になっていました。  次,学校における教育活動等状況なんですけども,13%の小学校で土曜日に自然体験とか体験的な学習実施しておりました。中学校のほうを見ますと,こちらも13%の中学校で,学期に1~2回程度は定期テスト前に補充的な学習実施しておりました。高校のほうを見ますと87%──9割近くなんですけども,土曜日に学習活動を行っておりまして,その内容は補習が中心なんですけども,自学自習でありますとか,国家試験とか資格取得のためのそういった準備のためのというような多様な取り組みをされておりまして,実施の形態でありますとか頻度は学校によっていろいろ異なっているという状況です。  それから,次,23年6月の保護者教職員対象アンケート内容でございますけども,これは複数回答で,3つ以内の複数回答という形でしておりましたので,全部足すと100%を超えるような,そういうアンケートになっているんですが,土曜日における子供生活実態としましては,小学校で,家庭での過ごし方で,家族と一緒に過ごすのが大体7割程度なんですけども,小学校1年のときは8割を超しているのが,だんだん学年進行とともに減ってまいりまして,小学校6年では50%ぐらいにはなっています。それと,家でテレビを見たりゲームをしたりするという,そういった子供たちがどの学年も4割から5割というようになっています。  家庭外の過ごし方としましては,中学生が7割以上で高校生が大体半分ぐらいは部活動を行っているということになっておりまして,あと地域でのいろいろな体験活動というのが,これ,非常に少なくて5%未満なんですけども,なぜかと理由を聞いていると,なかなか日程がわからないというか,広報にちょっと問題があったというような理由になっております。  次,3ページをごらんください。  保護者の意識としまして──これ,保護者を,子供たちの土曜日の過ごし方が充実していると思う,そういった保護者と,充実していないという,そう思っている保護者と両方に分けて調査をしております。当然,充実していると思う保護者の多くは,現状の取り組みのままでいいということなんですけども,ただ,授業でありますとか補習を希望しているというようなのも小・中・高校とも30%希望しておりました。充実していないと思う保護者は,やはりそれぞれ小学校中学校・高校とも大体60%以上は授業なり補習を希望しているというような状況でありました。  続きまして,教員勤務実態,意識の調査なんですけども,まず勤務実態のほうを見ていただきますと,月1回以上土曜日に出勤している割合を見ますと,小学校は5割をちょっと割るぐらい,中学校は8割以上,高校で7割以上になっています。さらに,毎週土曜日出勤しているとなりますと,小学校は1割ほど,中学校で6割,高校で4割弱ほどが勤務しておりまして,主に中学・高校は部活動で土曜日に勤務しているという割合が高いということになっております。  それと,教員の意識のほうで,土曜の授業がある程度必要であるとか強く必要と思っている教員は,小学校中学校で大体2~3割程度,高校で3~4割という形になっております。  それと,4ページのほうをごらんいただきたいんですけども,土曜授業をすると負担感はどうかということなんですけども,大体40%ちょっと超えるぐらいなんですけども,負担がふえるだけだというような意識になっております。土曜日に勤務した場合は振りかえという形なんですけども,そのときは振りかえをどうしたほうがいいかということで,長期休業期間中のまとめ取りと平日の過密感解消,どちらがいいですかという場合を聞きますと,平日の過密感解消のほうを願っているという形になっています。  次,平成24年度なんですけども,こちらになりますと,実践研究指定校というのを指定しまして,小学校16校と中学校6校に指定しまして研究をいたしております。  実施内容としましては,土曜日に公開授業でありますとか,保護者地域住民連携した学校行事でありますとか,体験活動あと小・中連携とか,試験前の学習講座などを月1回から学期に1回など,いろんな内容,いろんな実施頻度という形で研究しております。  24年度にもアンケート実施しまして,これは実践研究校保護者教職員児童生徒を対象に,1学期の取り組み終了後,大体7月ごろぐらいに調査を実施しました。回答者は,ざっと保護者が5,000名弱,教職員も400名程度,児童生徒は,4年生以上なんですけども,大体3,500名ほどの児童生徒に対してアンケートをいたしました。  結果概要を見ますと,保護者のほうは,否定的な意見が1割にとどまって,全体の4分の3ぐらいは今後の土曜日の活動の継続でありますとか充実を望んでおりまして,主な意見のほうを見ますと,昔のように土曜日の授業を全ての学校でやってほしいであったりとか,土曜日に学校取り組みがありますと保護者地域の人々が関心を持つことができるというような意見がありました。ちょっと否定的な意見で言いますと,家庭の者と一緒に過ごす時間が減るとか,土曜日,かなり習い事でありますとか,塾や少年野球やサッカーなどの予定が入っておりますので,そういった予定との調整が非常に難しいということで理由が入っております。  教職員のほうは,大体7割ぐらいが否定的で,肯定的な意見は3割ぐらいでありました。肯定的な意見としましては,学習指導要領の改訂で授業内容がふえておりますとか,土曜日授業する場合は隔週土曜日がちょうどよいぐらいじゃないかというような意見があります。ただ,これ以上負担がふえることに対する懸念はありました。  それと,児童生徒の5割で,土曜日に授業があるとちょっと疲れるというような意見もありまして,あと土曜日直後の月曜日も疲れるというような状況もあります。ただ,これ,ちょっとアンケートが7月に実施されていますので,季節的に非常に暑い時期なので,ふだんでも疲れている時期というのと,周りのほかの学校が──指定校以外のところは休みですけど,自分のところだけ学校に行かなければならないということもちょっと考えられるかなというふうに思います。  あと,4ページの下のところから成果と課題を掲載しております。  これは,24年の2学期の終了時点でありますけども,それぞれの現場で25年度どうするかという検討をいただく参考にするということで出させていただいた分です。学力向上の視点から言いますと,成果としましては,月1回程度土曜日活動を行う場合もありますし,あと従来,平日に実施していた行事を土曜日に実施して平日の授業時間を増加するというようなことにもなっています。  次,5ページのところになるんですが,土曜日公開授業をすると,子供たち緊張感を持って授業に臨むことができるということで,学習意欲が高まるということになります。ただ,課題としましては,場合によっては,土曜日の取り組み集中力が持続しない子供がいたりとか,先ほども申しました習い事であるとかスポーツ少年団らとかのスケジュールが重複するということがあります。  家庭地域連携,小・中連携の視点から成果を見ますと,地域の方々とか保護者の方々にふだんできないような体験的な活動でありますとか専門的な指導を受けることができるということで,興味・関心・意欲が高まって学習の深化が見られたということもあります。課題としまして,地域団体等の調整ということで,ちょっと若干,学校にも負担増が見られるということはあります。  次,6ページのほうを見ていただきますと,教職員学校体制の視点からということで,こちらのほうも成果としましては,月1回程度実施するということで,そういった取り組み子供たちに定着するということと,保護者地域社会との連携が深まって学校に対する評価が高まると。課題としましては,新しい取り組みということで,準備でありますとか調整に負担があったりとか,また教員の場合は,ほかの団体,社会教育関係であるとかPTA関係の行事が集中する時期になりますと,そちらのほうの参加の必要がありますので,そういった負担もふえてくるということです。  それから,課題克服に向けた取り組みとしましては,子供でありますとか教職員に対する負担軽減考え方から,土曜日活用で,そういった授業時数が増加する関係なんですけども,その一部を,平日の授業時間を減らして負担を平準化するということも考えられます。それから,教職員の勤務の振りかえとしましては,原則的には,土曜日活用を勤務した前後の週の時間割りを工夫して順次振りかえというのが原則にはなるんですけども,中学の場合でしたら,例えば,定期試験の1日目,2日目の午後というのは部活動がありませんので,そういった午後に振りかえを設定することもできます。また,やむを得ない場合は長期休業期間中の振りかえということで,京都府の場合は土曜日勤務した後16週まで振りかえができますので,例えば,4月,5月に土曜活用しても夏の長期休暇には振りかえができるという形になっています。  次,7ページをごらんください。  平成25年度,26年度の実践研究状況でございます。  基本的な考え方としましては,平成24年の12月に通知をしたようなんですけども──また後で見ていただいたらいいんですが,詳しくは資料集のほうにも掲載しておりますけども,基本的な考えとしましては,まず学習指導要領実施する中で,子供たちに質の高い学力をつけさせるということが必要であるというのとさまざまな体験を通して生きる力を育むのと両方が必要だという認識を示しております。さらに,開かれた学校づくりの推進のためにも土曜日を活用することが重要であるということを述べております。府教委の評価としましては,月に1回程度実施することで効果が期待できるというふうに考えています。  それともう1つ,(4)のところなんですけども,基本的には小・中学校におきまして土曜日に教育活動に位置づけた取り組み実施するかどうかというのは,あくまで設置者である市町の教育委員会の判断という形で考えておりますので,そういった市町の教育委員会実施する場合は円滑に行えるように標準的な実施内容でありますとか留意点をお示しするというところで,それが実践の中で抜粋して掲載しております。  標準的な実施内容としましては,家庭地域との連携による行事や授業保護者地域住民等への公開授業ということで,子供たち自身地域に出ていく体験活動も含めまして,子供たち学力向上でありますとか社会性の醸成などにつながるような取り組みを想定しておりまして,こうした取り組み学校単位あるいは学年単位実施しているというようなところであります。  それと,あと実施上の留意点なんですけども,割と他府県とかの通知を見ていますと,土曜日を活用した教育実施したいという区でありますとか市町村というのがあって,それに答える形で留意点というのを──文書が出ているわけなんですけども,京都府の場合は,実践研究をやっておりますので,それに基づいて京都ならではの記述を加えているという形になっています。  特に,実施上の留意点2つ目のぽつのところなんですけども,実施回数について,既にそれぞれの市町単位授業時数の確保の状況でありますとか,5日制導入に当たりまして社会教育団体等の協力にいろいろな体験等のメニューが実施されておりますので,そういったそれぞれの市町の状況が異なっておりますので,それを見ながら総合的に判断していただきたいというふうに入れています。例えば,授業時数の確保の状況で言いますと,夏の長期休業期間が終わるのが,いわゆる2学期が始まるのが9月1日の市町村もありますし,早いところですと8月26日から始まっている市町村もあります。それ,5日間だけでもかなり授業時数が変わってきますので,そういった確保の状況が違っているというふうになっております。  それと,あと取り組み内容としましては,今年度,平成26年度を見ていただきますと──ちょっと済みません,これ,非常にわかりにくくて申しわけないんですけども──小学校で165校,中学校で74校,全部で239校で,これ,全体で見ますと75%ぐらいの学校で今年度実施する予定になっております。あと実施頻度で見ますと,月1回が全部で38校,学期に2回が65校,学期に1回が136校というふうな形になっております。  最後に,8ページをごらんいただきたいんですけども,府教委支援策としまして,学力向上サポートチームの活用とあるんですけども,これは何かといいますと,特に学力課題を有する中学校に,全部で今年度13校なんですけども,週20時間の非常勤講師を2名配置しまして,学力向上のほうにちょっと力を入れてくださいというようなチームを派遣しております。  それともう1つ,中2学力アップ集中講座というのがあるんですけども,こちらの──要は基礎学力の定着に課題がある生徒でありますとか,発展的な学習を行う,そういった生徒を対象に中学校で講座を開いてくださいと,そのための非常勤講師で,大体なんですけども,年間約100時間ぐらいを上限に非常勤講師を配置しておりまして,ただ,ちょっと条件をつけていまして,どちらも少なくとも1回は土曜に実施するということを条件にしております。  私からの説明は以上でございます。 5 ◯委員長岩田嘉晃) 木上様,どうもありがとうございました。  次に,栗山様,よろしくお願いいたします。 6 ◯参考人 それでは,失礼いたします。学校教育課栗山と申します。よろしくお願いいたします。  先ほど紹介がありましたように,私のほうからは──私も一昨年度まで学校の現場で実際に京都府のほうの指定を受けまして実践研究をしてきた1人としまして御意見を述べさせていただきますので,よろしくお願いいたします。  それでは,座って失礼いたします。  本日はプレゼンのほうを用意させていただきましたので,そちらのほうを見ていただきながら聞いていただいたらと思います。  京都府の土曜活用の取り組みにつきましては,先ほど木上担当課長のほうからも説明がありましたように,実際,学校現場では──京都府といたしましては,教育課程内で実施している学校と,それから教育課程外実施をしている学校があります。また,内容につきましても市町村教育委員会あるいは学校独自が計画を立てて,特に,先ほど言いました質の高い学力──学力向上ですね,それを中心に取り組んでいる学校と,それから生きる力を育むということで,地域連携とか,あるいは小・中連携等,そうした取り組みを中心にしている学校がございます。  私が取り組んできたものにつきましては,先ほど最初に言いました教育課程外で,それから地域連携学校家庭地域社会連携・融合した取り組みということで,ふだんなかなか子供たち学校の中では経験できないような豊かな体験活動,そういったものを実際に実施をしてきました。実際に取り組みまして,感想としましてよかったなと,後ほど成果と課題というのをお話しさせていただきますけども,よかったなというふうに思っています。それはなぜかといいますと,やはり子供たちが,ふだんも楽しく来るんですけども,土曜活用の日には,よりにこにことして楽しく来るという様子とか,あるいは保護者地域の方がそれぞれ御理解をいただいて協力を得られると,そういったことがよかったなというふうに思っております。実際,どのような形で取り組んだかということを今から説明をさせていただきます。  まず,実践研究を進めるに当たってのキーワードを3点挙げさせていただきました。1点目は,保護者地域との連携・融合ということです。特に,どの講座にも保護者はもちろんのことですけども,地域の方々にも連携をしていただいて協力をしていただくということで実施をしてきました。それから,2点目は開かれた学校づくりということで,常に学校を開きまして,特に作成した資料等につきましては地域に配布をしたり,あるいは学校便りで呼びかけたり,多くの方々に見に来ていただくということをしていました。また,近隣の小・中学校にも声をかけて,毎回来ていただくというような形で取り組みを進めてきました。それから,3点目は豊かな体験活動ですけども,これが,先ほども言いましたけども,ふだん学校ではできないような体験をここで計画をするというようなことです。  この全ての取り組みについて,なかなか,やはり子供たちは人から認められることが少ない現状もありまして,児童の自己肯定感とか,あるいは自己有用感を高めるために必要でないかなということを考えました。  それから,それぞれの計画を立てるときに,やはり保護者地域の方々の意見を聞く場を設けるということで,外──外部との会議といたしまして,推進協議会を,こういった方,代表の方に来ていただいて会議を年間約3回程度持っております。それから,また内部の会議ですけども,これは推進委員会ということで,校務分掌に位置づけて,必要に応じて開催をし,年間約10回以上ですけども,10回程度は実施をしてきました。その中でいろいろ計画を立て,反省をし,次につなげるという形でしてきました。  この取り組みに関して,ふだんの教育活動でも同様ではありますけども,特に人権教育を基盤にした取り組みをしていまして,やっぱり自分を大切に,人を大切にする児童の育成ということで,そういった育成をしてきましたし,また全教職員の協働体制のもとに1人1人を大切にする,そういった取り組みを進めてまいりました。  また,府もアンケートをされたんですけども,府とは別に学校独自でアンケート実施しました。特に子供の土曜日の過ごし方について,どのように過ごしているかということをアンケートしますと,これは低学年のグラフですけども,特にやはり家で過ごす,それから家族で出かける,そういった部分が低学年は多かったように思います。それから,中学年ですけども,中学年はやはり習い事に行くという,そういったことや,あるいは土曜日は家族の人と出かけると,そういったことが多かったように思います。また,高学年になりますと,塾とかも行っているんですけども,やはり家で過ごしているというような状況が多いように思います。そんな中で,やはり家でだらだら過ごして,どのように土曜日を過ごしたらいいかわからないという児童もいるのは事実でございました。  あと保護者のほうにもアンケートをとった中で,子供にどのように土曜日を過ごしてほしいかというアンケートの中で,特に平日とはやっぱり違う時間を過ごしてほしいとか,あるいは目的を持って有意義に過ごしてほしいとか,規則正しい生活をしてほしいと,そういうような項目が多かったです。  また,土曜活用の時間を利用してどのような活動に取り組んでほしいかという,こういった質問に対して,特に保護者については,日ごろできないようなこういった体験ですね,学習も含めてやと思うんですけど,そういったこと,あるいは学年を超えた取り組み──1年生,2年生だけじゃなくて,やっぱり異年齢集団での取り組み,そういったことをしてほしいというようなこと,それから地域の方々と触れ合う機会をたくさん持ってほしいとか,そういったものもありました。逆に,土曜日ぐらいゆっくり家で過ごしたほうがいいんじゃないかという少数意見もございました。そういったアンケートの結果でした。  あと保護者地域との連携の中で,3点考えたんですけれども,1つは地域人材の活用,それが1点です。それから,2点目は児童に豊かな体験活動をということで,先ほどのキーワードとも関連しますけども,それから3点目は保護者地域とのつながりを大切にしていくということで,こういった3点につきましては,京都府も言っているんですけども,やはり包み込まれているという感覚を子供たちに持たせるという,そういったこと──これはふだんの授業の中でもそうなんですけども,土曜活用もそういったことで取り組みを進めましたし,特に社会総がかりで子供を育てると,そういった視点での取り組みを推進してきました。  保護者地域との連携の中では,ここに書いていますように,たくさんの方が毎回講座に協力をしていただいたり,あるいは見に来ていただくだけにはなりますけども,そういったことがありましたし,また地域子供たちと出会いますと,この前,いいのをつくっていたなとか,そういった声かけもいろんなところからしていただいて,子供たちの自己肯定感が高まると,そういった取り組みもございました。  この取り組みに関しまして,若干,写真のほうをちょっと用意させていただきましたので,そちらのほうを映させていただきたいと思います。5分ぐらいありますので,よろしくお願いいたします。  (写真上映) 7 ◯参考人 済みません,ありがとうございました。  今,特に,豊かな体験活動の様子なんですけども,今見ていただいたとおりなんですけども,その中で特に京都府として他団体との調整,その辺が難しいというようなことを先ほど課長のほうも言っていましたけども,私のほうもそういったことをちょっと考慮に入れながら,スポーツ少年団との交流ですね,そういったものも一緒にさせていただいて,学校児童だけじゃなくて,ほかの学校児童との交流もこの中ではさせていただいているような状況です。  それから,これは,本校ではないんですけども,京都府としましても,こういった土曜日を活用した防災の関係ですけども,引き渡し訓練とか,そういったものとか,あるいは小中の連携取り組みで小学生が中学校クラブ活動に行って中学生に教えていただいたり,顧問の先生に教えていただくような形,また中学校の小中連携で取り組んでいる学校ですけども,中学生が学校案内をしてくれるとか,そういった取り組みもしていますし,またそれ以外にも,先ほど言いました質の高い学力ですね。特に学力補充にも取り組んでおります。また,学校公開ということで,それぞれ授業参観あるいは音楽発表会等々のそういった参観にも取り組んでおります。また,スポーツ体験とか,あるいは昔遊びの交流とか,そういったものもしております。  あと,最後になりますけども,成果と課題について若干お話をさせていただきます。  まず,成果ですけども,特に保護者,それから地域の方々と共通の話題で話し合うことができて,多くの人とのつながりを深めることができました。また,関心が大変──保護者地域の方の関心が高まりました。それから,児童の体験がより充実したものとなり,児童の学びが深まりましたし,また教職員にとっても子供たちの笑顔を見て達成感とか,あるいは成就感が見られましたし,また地域の方々とコミュニケーションがとれて大変充実感が味わえたという意見もありました。また,地域の方々のさまざまな経験や能力が生かせる自己実現の場になったということで,毎回生き生きとして楽しく来ていただけるということもありました。また,保護者からも学校取り組みに十分な理解を得る機会となって,学校教職員への信頼も高まっていったというようなことがございます。  それから,課題なんですけども,課題につきましては,やはり今後,地域の人材の発掘により一層努めていかなければならないなということと,それから地域社会とのさらなる連携・協働のあり方を考えていくということ,それから,あと先ほど課長のほうからも言いましたけども,若干やっぱり教職員負担感,そういった部分の解消もありますし,それから勤務にかかわる振りかえ等,こういったものを確保していくという,そういった課題もございますけども,特にそういった部分を今後,大きな課題として取り組みを進めていきたいというふうに考えています。  今後も京都府としましては,土曜日を有効に活用して,児童生徒学力向上,そしてさらなる豊かな体験をしていくわけですけども,市町,学校がやっぱり取り組んでいかれる,そういった部分を支援・援助できたらいいなというようなことを考えております。  私のほうからは,以上で発表を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 8 ◯委員長岩田嘉晃) 栗山様,どうもありがとうございました。  それでは,ただいまからお二方よりいただきました意見陳述に対しまして,せっかくの機会でございますので,御質疑等ございませんか。 9 ◯委員(大石よしのり) 貴重なお話,ありがとうございました。  少しお尋ねしたいんですが,この取り組みをするに当たって特別に予算を計上されたんでしょうか。 10 ◯参考人 今回について,特に特別に予算計上というのはなくて,ただ,当然,アンケートとかをしますとどんどん費用は発生するわけなんですけども,それは一般の予算の中でやっています。  あと実践研究もしていますので,その分については,ふだん研究したりしますと,一定は市町村に対しては補助というような形ですけども,そんなに何十万,何百万じゃないので,一般的な経費の中で算出しておりました。 11 ◯委員(大石よしのり) ありがとうございます。  非常に私は肯定的な意見を持っていまして,どんどん取り組みたいなと思っているんですけれども,例えば,地域ボランティアの方とは別にプロとおぼしき講師の方も来られていたと思うんですが,そういう方にギャラのお支払いとかが発生したのかどうかとか,あと,お料理教室をされていて,野菜なり,実際に教材費がかかってくると思うんですが,そういうのを捻出,もしくは生徒からの徴収というのはあったんですか。 12 ◯参考人 講師の謝金の分なんですけども,それについては,一応発生はしていますけども,そんなに多額の謝金ではないということと,それから金というよりも品物でお礼,そういう形になる。それは,先ほど府のほうからも言いましたけども,そちらのほうの若干の予算をいただく中で計上し,それからそれがない場合は学校の予算の中で賄っているというような状況です。  それから,材料費等も同じなんですけども,そういったもので,そこの予算の中,あるいは学校の予算ということと,それから野菜等々ありますけども,そういったものは,若干,学校とかでもつくったり,子供がつくったものを使うというような,そういったこともしておりました。 13 ◯委員(大石よしのり) ありがとうございます。  東京なんかの区ごとの取り組みを見ますと,同じような取り組みもされているんですが,一般企業とのコラボみたいなこともされていまして,全く,企業の場合は,CSRで──社会貢献で学校に乗り込んでいって,ある程度ちょっとその企業のアピールもしながら,全くギャラが発生しないような形でされていたり,あとサッカーでも地域の少年団のサッカーチームというよりは本当のJリーグの東京ヴェルディが乗り込んでいってというような,非常に多岐にわたって活動を──一般企業とコラボされているんですけれども,京都府さんはそんな実績等々はございませんか。 14 ◯参考人 京都府も同じように,サッカーチームでしたら京都サンガがありますので,サンガはかなり幅広くいろんな小・中学校に行っていただいて指導みたいなのをしていただいていますし,企業のほうも,これはちょっと学校にもよりますので,そういった,いわゆるそういう積極的な企業についてはかなり月1回程度来ていただいているようなところもあります。  あと京都の場合は,古典芸能とかでもかなりいろいろと専門家の方もおられますので,この場合は,京都府のほうが,教育委員会ではないんですけども,知事部局のほうで予算を組んで,それでいわゆる橋渡しみたいな形で──ただ,これは土曜日に限らず,平日に実施する場合もあるんですけども,例えば,能であるとか狂言であるとか,それからあとオーケストラであるとか,そういったもの,実際に小・中学校に出向いて指導を行うというような形もあります。  以上です。 15 ◯委員長岩田嘉晃) 他に御質疑はございませんか。 16 ◯委員(松本のり子) 大変,本当勉強になりました。ありがとうございました。  よくわからないんですが,土曜日の授業というのは,私のときは半日だったんですが,これは半日なのか1日なのか,ちょっと教えていただきたいのと,それに,今いろいろ読書ボランティアとか太鼓とかいろんな取り組みを見せていただいたんですが,そういうのって結構,今,授業の中で,週5日授業をやっている中で組み込まれていると思うんですね。私もきょう,ここの市役所に来る前にちょうど駅で知り合いに会ったら,今から灘区の小学校の絵本の読み聞かせ──3年生──それに行くんですよと言っていましたので,結構いろんな取り組みを今やられている──ゆとり教育とか,何かそういうのがあってやられていると思うんですが,それがやはりオーバーラップしてきたから土曜日の授業京都府さんでは新たにされるのか,もしそうだったら,週5日の授業体系が,やっぱりどこか問題が──何か文科省はこういうところに問題がありますよというのはちょっと余り見ていないんですが,検証というのが何か国のほうとかであったのかどうか,その辺をちょっとお聞きしたいのと。  土曜日,結構,この資料で,子供たちがゆっくりのんびり何かおうちでだらだらしているというのが半数近くあったと思うんですが,のんびりゆっくりだらだらと──すごく私は必要なことだ,必要じゃないんかなと思うんですよ。私も毎日何かばたばたやっていますと,本当に家でごろごろするということが次の翌日のステップアップにつながっていって,すごく精神衛生上だらだらって必要じゃないんかなと思うんですが,その辺,子供たちは土曜日やることによって何かひずみが出てきていないのかどうか,その辺をよろしくお願いします。 17 ◯参考人 まず,一番最初,土曜日の半日,1日なんですけども,原則的には午前中だけという形でお願いしております。ですから,授業する場合でしたら教員の勤務のこともありますので,3時間目までということで,そうすると大体12時までには終わりますので,そういう形にさせてもらっていますし,行事も基本的には午前中で終わるようにということでお願いしております。  それから,授業地域連携とか,いろいろあるかと思うんですけども,1つ,開かれた学校という観点で,いろんな地域の方でありますとか保護者の方に学校を知っていただくというような,そういう観点もあるかと思います。同じいろいろ行事をする場合,地域の方であるとか,いろんな企業の方とか,平日にしていただく場合と土曜日にしてもらえるとなると,土曜日にしていただくほうが当然いろいろ地域の方,保護者に見ていただくようなことがかなり可能になりますので,そういった観点からも,できたら土曜日にしたほうが学校をわかっていただく,学校を知っていただくという観点でいいかなというふうに考えて土曜日にしております。  それと,最後に3点目なんですけども,当然,リフレッシュするためには,子供たちも大人も当然なんですけども,休憩というのは必要なんですけども,ただ,一番最初に,平成23年度に検討会議をする前に教育委員会の中でまず検討したときは,土曜日に子供たち,かなり野球をやっている子やらサッカーをやっている子やら習い事をやっている子やらがいろいろいるけども,あれ,全員やっているかなという話を考えたときに,いや,そうじゃなくて,やっぱりそういうところにも参加せずに家でテレビを見たりとかテレビゲームをしたりとか,それでずっと土曜・日曜2日間過ごすという,そういう子もいたら,そういうのというのはやっぱりもともとの社会総がかりで家庭とか地域とか学校がみんなで子供たちを育てるとか育むというのにはどうかなというので,まず検討してみようということから23年検討会議をしましたので。  それともう1つは,土曜日,必ずしもこれ,毎週やっているわけじゃなくて,できる範囲内で,最低学期1回で,できたら月1回やってくださいと,その辺は検討しながらやっていただきたいという形で京都府のほうは実施しております。  以上です。 18 ◯委員(松本のり子) 済みません,先ほどちょっとお聞きしました,今,週5日制について文科省から何か,今10数年,10年ぐらいですか,やってきた中で土曜日もやってもいいよというふうになっているんですけども,この5日制の問題点とか,その検証とか,何かそういったものって出ているんでしょうか。 19 ◯参考人 私どものほうには,特に文部科学省のほうからそういった検証と問題点は特には聞いておりません。 20 ◯委員長岩田嘉晃) 他に御質疑はございませんか。  (なし) 21 ◯委員長岩田嘉晃) なければ,次に,本件に関連して,当局に対する質疑,神戸市会側の当局に対する質疑等はございますか。  (なし) 22 ◯委員長岩田嘉晃) 他に質疑がなければ,本件に関しまして審査はこの程度にとどめたいと存じます。
     当局,どうも御苦労さまでございました。また,参考人のお二方におかれましては,これをもちまして退席されます。木上様,そして栗山様,ありがとうございました。  なお,委員の皆様におかれましては,市民参画推進局が入室するまで自席でお待ち願います。 (市民参画推進局) 23 ◯委員長岩田嘉晃) それでは,これより市民参画推進局関係の審査を行います。  それでは,報告事項1件について,当局の報告を求めます。 24 ◯大谷市民参画推進局長 それでは,お手元にお配りしております文教こども委員会資料によりまして,報告1件につきまして,御説明申し上げます。  1ページをお開きください。  神戸ビエンナーレ2013の検証報告について,御説明申し上げます。  神戸ビエンナーレ2013の検証につきましては,基本方針を策定した神戸ビエンナーレ2013企画委員会委員を中心に,外部の学識経験者の方にも加わっていただき,さらに今回は美術評論家など外部の専門家の意見もお聞きして報告書としてまとめていただきました。  I総括でございますが,今回の検証は,2015年1月に震災20年の節目を迎えることや8年間で計4回の開催の中で幾つかの課題も見えてきたことなどから,神戸ビエンナーレ2013の検証とともに改めてビエンナーレを始めた経緯とこれまでの取り組みについて振り返り,過去4回の検証が行われました。  (1)経緯では,神戸の歴史や震災体験を踏まえた2004年12月の神戸文化創生都市宣言が原点であることが確認されております。  続いて,(2)取り組みとその評価でございますが,神戸ビエンナーレの基本方針と基本理念,テーマを振り返った上でこれまでの取り組みについて評価されております。  2ページをお開きください。  神戸ビエンナーレは,アートを現代アートに限らず,絵画や彫刻といった従来の芸術領域,広義の意味でファッションや工学などのデザイン,生け花や陶芸などの伝統芸術やエンターテインメント等も取り上げ,新たな形の芸術祭を目指してきました。  その結果,これまで4回の開催で計90万人を超える方々に御来場いただきました。特に,第1回より実施してきたアートインコンテナ国際展は,海上コンテナを使った均一空間でのコンペティションで,ほかには例がない神戸ビエンナーレだけのユニークな,かつチャレンジングな取り組みとして大きな成果を上げてきました。また,しつらいアート展や神戸港・海上アート展,元町高架下アートプロジェクトなどの展開により,まちの資源の再認識・再評価と魅力発信を目指した結果,多くの人が会場を訪れ,実際に港や商店街のにぎわいづくりにもつながりました。  こういった取り組みが評価され,神戸ビエンナーレはグッドデザイン賞や文化庁長官表彰を受賞し,文化庁の平成25年度地域発・文化芸術創造発信イニシアチブの補助事業にも採択されました。  人材育成の観点からは,毎回さまざまな分野の複数のコンペティションを実施し,新進アーティストの発掘・育成に取り組んできました。その結果,アートインコンテナ国際展を初めとするコンペティションには4回で延べ3,077人のアーティストに御応募いただくとともに,入賞作家がほかの芸術祭に招待されたり,ほかのコンペティションで入賞するなど,一定の成果があらわれてきております。  このように,文化創生都市の実現に向けて,まちづくりと人づくりを目標に開催してきた神戸ビエンナーレは,着実にその目標を達成してきたとの評価をいただいております。  一方で,(3)今後の方向性でございますが,神戸ビエンナーレは,多彩なジャンルを取り入れることが特色であり,回を重ねるごとに新たな取り組みを展開してきた結果,事業の幅が広がり過ぎ,事業の根幹である理念・目的がわかりにくくなっているという指摘があります。また,震災から20年の節目を迎えるに当たり,震災文化という観点も必要ではとの御意見もありました。アンケート等では,ビエンナーレの意味がわからないなどの意見もあることから,広報PRの強化などにより,認知度を上げ,さらに集客を増していくことも課題とされております。  内容に関しては,コンペティション中心で,作品の質のばらつきも指摘されることから,コンペティションのよさを生かしながら展示水準を維持するため,ビエンナーレ全体の構成や展示方法について十分に検討する必要があると指摘されております。  右のページに移りまして,開催場所については,過去3回はメリケンパークをメーン会場とし,神戸らしく国内外を回遊してきた輸送用コンテナを展示空間として活用してまいりました。毎回工夫しながら設営を行い,来場者へのもてなしや運営面の負担軽減にも配慮してまいりましたが,コンテナ内の温度上昇による作品の故障など,作品を鑑賞する環境の問題もビエンナーレ全体の評価に影響を与えると指摘されております。  また,アートインコンテナ国際展については,コンテナの中にアートを展開する意外性,斬新さが評価され,毎回レベルも上がってきましたが,その一方で応募数は減少傾向にあり,変化を求める声も出てきています。さらに,市民参画の点では,ボランティア登録者数は減少傾向にあり,活動も低調になってきています。現在のアートプロジェクトは,市民参加を促し,イベント運営を支えるパートナーであるボランティアの活動なくしては成り立たないことから,より多くの人がボランティアとして参加したくなるような魅力づくりと仕組みづくりも重要な課題と指摘されております。  このように,神戸ビエンナーレは,過去4回の開催を重ねてきた結果,文化創生都市づくりに大きな役割を果たし,評価を得る一方で,先ほど述べたような諸課題も指摘されるようになってきました。全国各地で芸術祭が開催される中で,神戸の独自性を主張し,さらに進化していくためには,評価されている点は継承するとともに,必要な見直しを行いながら新たな取り組みを進めることが望まれます。  これらの指摘を踏まえ,3ページ下方から4ページにわたりまして四角囲いで示しておりますように,8つの提案がなされております。  1つ目に,コンセプトの明確化でございます。今後,神戸ビエンナーレがさらに進化していくためには,基本理念そのものをもう1度精査し,選択と集中を行う必要があるのではないか,神戸ビエンナーレのコンセプトをより明確にした上で必要な事業の見直しを行ってはどうかという提案がなされました。その上で,2つ目のコンペティション,企画展示の見直しや,4ページに移りまして,3つ目の開催場所の見直しを検討してはどうかという提案をいただいております。また,ボランティアを初めとした市民参画の充実,デザイン都市や,海外を含めた芸術文化活動連携強化についても重要であることや,神戸ビエンナーレに多くの方に関心を持っていただき来ていただくための広報PRの強化,さらにこれらの提案を実現していくための組織体制の見直しや財源の確保についても提案をいただいております。  5ページ以降では,今後の神戸ビエンナーレ2013の検証で,I開催概要,以下項目・事業ごとに検証を行っていただいております。その内容の詳細につきましては,添付しております神戸ビエンナーレ2013検証報告書本体を御参照ください。  今後,この検証報告書の内容を踏まえながら,次回ビエンナーレの開催に向け,企画委員等の人選を進め,会場や開催時期等を検討し,基本計画の策定に向けて取り組んでまいります。  以上で,報告1件につきまして御説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 25 ◯委員長岩田嘉晃) 当局の報告は終わりました。  これより質疑を行います。  まず,報告事項,神戸ビエンナーレ2013の検証報告について御質疑はございませんか。  (なし) 26 ◯委員長岩田嘉晃) 御質疑がないようでしたら,市民参画の審査はこの程度にとどめたいと存じます。  当局,どうも御苦労さまでした。 27 ◯委員長岩田嘉晃) 本日協議していただく事項は以上であります。  本日の委員会はこれをもって閉会いたします。御苦労さまでした。   (午前11時3分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...