ちょっと座って説明させていただきます。
それでは,本日でございますけども,まず資料の確認をさせていただきたいんですけども,土曜日を活用した
教育の
在り方についてというものと,もう1つ,土曜日を活用した
教育の
在り方について
資料集の2種類を御用意させていただいております。
まず,土曜日を活用した
教育の
在り方についてなんですけども,1ページのほうをちょっとごらんください。
まず,
京都府
教育委員会のほうなんですが,
京都府のざっとした概要を説明させていただきますけども,
京都府は,
政令指定都市であります
京都市を除く
地域の
小・中学校を管轄しておりまして,
小・中学校数,
児童・
生徒数,
教員数の概要は,昨年25年5月1日現在の
学校基本調査からなんですけども,
京都市を除く
地域におきましては,
小学校の
学校数が231校,
児童数が6万4,707名,
教員数が4,457人となっております。同じく
京都市のほうが172校,
児童数が6万3,871人,
教員数が3,863人ということで,
児童数において大体ほぼ同数というような
状況です。同様に
中学校のほうも,
京都市を除く
地域が99校,3万2,465人と
教員数が2,580人で,同じく
京都市が75校,
生徒数が3万1,017人,
教員数が2,280人という形になっております。
それともう1つ,
京都府のいわゆる
教育事務所というのがありまして,
京都府では
教育局と言うんですけども,そちらのほうが,
教育事務所は5カ所で管轄の
教育委員会が24というふうになっております。
それで,続きまして,2ページのほうをごらんいただけますでしょうか。
土曜日を活用した
教育の
在り方検討会議というのを平成23年の5月に設置いたしております。なぜこのような
検討会議を設置したかといいますと,
学習指導要領のほうの
全面改訂が,
小学校の場合は平成23年度から,
中学校の場合は平成20年度から
全面実施ということで,
指導内容でありますとか
授業時数が増加しているということがあります。
一方で,
完全学校週5日制が平成14年度に
実施されましてから10年ほど経過いたしまして,こういう
学校週5日制の趣旨が生かされているかどうか,つまりは
学校・
家庭・
地域社会,それぞれが協力して,
子供たちに豊かな
社会体験でありますとか
自然体験など,そういったさまざまな
活動を提供しながら,
子供たちがみずから学び,みずから考える力,豊かな
人間性など,生きる力を育むという,そういった目的が達成されているかというのをちょっと一方で考えまして,改めて土曜日の
教育の
あり方を検討しようじゃないかということでこういう
検討会が設置されております。
23年
検討会議のところでは,
保護者・
教職員を対象に
アンケートを
実施しまして,24年の2月には
検討会議の
まとめを提出しております。
この
点線部分のところが
学校週5日制における
教育活動の現状と
課題ということで,
アンケート結果も含めながら掲載をいたしております。
その当時,
地域社会における
体験活動の
状況はどうかといいますと,京のわくわく
探検事業,これは,土曜日でありますとか平日の放課後に,
小学校や公民館で,そういったところを会場としまして
自然体験とか昔遊びなど,
さまざま体験を行っていたんですけども,それが6つの市町でやっておりました。それと,
あと京のまなび教室,これは,
先ほどの京のわくわく
探検事業にさらに
学習活動も含めた
体験活動ということで,これが80カ所されています。それと,総合型,
開放型地域スポーツクラブ,これは御存じのとおり,
学校のグラウンドでありますとか体育館を活用して
地域住民とか
子供たちと交流しながら
スポーツを行うという,そういった
取り組みが41の
クラブになっています。その当時,こういった
取り組み状況はちょっとばらつきが見られまして,熱心にやっている
地域であるとか,余り進んでいない
地域とか,いろいろという形になっていました。
次,
学校における
教育活動等の
状況なんですけども,13%の
小学校で土曜日に
自然体験とか体験的な
学習を
実施しておりました。
中学校のほうを見ますと,こちらも13%の
中学校で,学期に1~2回程度は
定期テスト前に補充的な
学習を
実施しておりました。高校のほうを見ますと87%──9割近くなんですけども,土曜日に
学習活動を行っておりまして,その
内容は補習が中心なんですけども,自学自習でありますとか,
国家試験とか
資格取得のためのそういった準備のためのというような多様な
取り組みをされておりまして,
実施の形態でありますとか頻度は
学校によっていろいろ異なっているという
状況です。
それから,次,23年6月の
保護者・
教職員対象の
アンケートの
内容でございますけども,これは
複数回答で,3つ以内の
複数回答という形でしておりましたので,全部足すと100%を超えるような,そういう
アンケートになっているんですが,土曜日における
子供の
生活実態としましては,
小学校で,
家庭での過ごし方で,家族と一緒に過ごすのが大体7割程度なんですけども,
小学校1年のときは8割を超しているのが,だんだん
学年進行とともに減ってまいりまして,
小学校6年では50%ぐらいにはなっています。それと,家でテレビを見たりゲームをしたりするという,そういった
子供たちがどの学年も4割から5割というようになっています。
家庭外の過ごし方としましては,中学生が7割以上で高校生が大体半分ぐらいは
部活動を行っているということになっておりまして,
あと地域でのいろいろな
体験活動というのが,これ,非常に少なくて5%未満なんですけども,なぜかと理由を聞いていると,なかなか日程がわからないというか,広報にちょっと問題があったというような理由になっております。
次,3ページをごらんください。
保護者の意識としまして──これ,
保護者を,
子供たちの土曜日の過ごし方が充実していると思う,そういった
保護者と,充実していないという,そう思っている
保護者と両方に分けて調査をしております。当然,充実していると思う
保護者の多くは,現状の
取り組みのままでいいということなんですけども,ただ,
授業でありますとか補習を希望しているというようなのも小・中・高校とも30%希望しておりました。充実していないと思う
保護者は,やはりそれぞれ
小学校・
中学校・高校とも大体60%以上は
授業なり補習を希望しているというような
状況でありました。
続きまして,
教員の
勤務実態,意識の調査なんですけども,まず
勤務実態のほうを見ていただきますと,月1回以上土曜日に出勤している割合を見ますと,
小学校は5割をちょっと割るぐらい,
中学校は8割以上,高校で7割以上になっています。さらに,毎週土曜日出勤しているとなりますと,
小学校は1割ほど,
中学校で6割,高校で4割弱ほどが勤務しておりまして,主に中学・高校は
部活動で土曜日に勤務しているという割合が高いということになっております。
それと,
教員の意識のほうで,土曜の
授業がある程度必要であるとか強く必要と思っている
教員は,
小学校・
中学校で大体2~3割程度,高校で3~4割という形になっております。
それと,4ページのほうをごらんいただきたいんですけども,土曜
授業をすると
負担感はどうかということなんですけども,大体40%ちょっと超えるぐらいなんですけども,
負担がふえるだけだというような意識になっております。土曜日に勤務した場合は振りかえという形なんですけども,そのときは振りかえをどうしたほうがいいかということで,
長期休業期間中の
まとめ取りと平日の
過密感解消,どちらがいいですかという場合を聞きますと,平日の
過密感解消のほうを願っているという形になっています。
次,平成24年度なんですけども,こちらになりますと,
実践研究指定校というのを指定しまして,
小学校16校と
中学校6校に指定しまして研究をいたしております。
実施内容としましては,土曜日に
公開授業でありますとか,
保護者・
地域住民と
連携した
学校行事でありますとか,
体験活動,
あと小・中
連携とか,試験前の
学習講座などを月1回から学期に1回など,いろんな
内容,いろんな
実施頻度という形で研究しております。
24年度にも
アンケートを
実施しまして,これは
実践研究校の
保護者・
教職員・
児童・
生徒を対象に,1学期の
取り組み終了後,大体7月ごろぐらいに調査を
実施しました。
回答者は,ざっと
保護者が5,000名弱,
教職員も400名程度,
児童・
生徒は,4年生以上なんですけども,大体3,500名ほどの
児童・
生徒に対して
アンケートをいたしました。
結果概要を見ますと,
保護者のほうは,否定的な
意見が1割にとどまって,全体の4分の3ぐらいは今後の土曜日の
活動の継続でありますとか充実を望んでおりまして,主な
意見のほうを見ますと,昔のように土曜日の
授業を全ての
学校でやってほしいであったりとか,土曜日に
学校で
取り組みがありますと
保護者や
地域の人々が関心を持つことができるというような
意見がありました。ちょっと否定的な
意見で言いますと,
家庭の者と一緒に過ごす時間が減るとか,土曜日,かなり
習い事でありますとか,塾や
少年野球やサッカーなどの予定が入っておりますので,そういった予定との調整が非常に難しいということで理由が入っております。
教職員のほうは,大体7割ぐらいが否定的で,肯定的な
意見は3割ぐらいでありました。肯定的な
意見としましては,
学習指導要領の改訂で
授業内容がふえておりますとか,土曜日
授業する場合は隔週土曜日がちょうどよいぐらいじゃないかというような
意見があります。ただ,これ以上
負担がふえることに対する懸念はありました。
それと,
児童・
生徒の5割で,土曜日に
授業があるとちょっと疲れるというような
意見もありまして,
あと土曜日直後の月曜日も疲れるというような
状況もあります。ただ,これ,ちょっと
アンケートが7月に
実施されていますので,季節的に非常に暑い時期なので,ふだんでも疲れている時期というのと,周りのほかの
学校が──
指定校以外のところは休みですけど,自分のところだけ
学校に行かなければならないということもちょっと考えられるかなというふうに思います。
あと,4ページの下のところから成果と
課題を掲載しております。
これは,24年の2学期の
終了時点でありますけども,それぞれの現場で25年度どうするかという検討をいただく参考にするということで出させていただいた分です。
学力向上の視点から言いますと,成果としましては,月1回程度土曜日
活動を行う場合もありますし,
あと従来,平日に
実施していた行事を土曜日に
実施して平日の
授業時間を増加するというようなことにもなっています。
次,5ページのところになるんですが,土曜日
公開授業をすると,
子供たちが
緊張感を持って
授業に臨むことができるということで,
学習意欲が高まるということになります。ただ,
課題としましては,場合によっては,土曜日の
取り組みで
集中力が持続しない
子供がいたりとか,
先ほども申しました
習い事であるとか
スポーツ少年団らとかのスケジュールが重複するということがあります。
家庭・
地域連携,小・中
連携の視点から成果を見ますと,
地域の方々とか
保護者の方々にふだんできないような体験的な
活動でありますとか専門的な
指導を受けることができるということで,興味・関心・意欲が高まって
学習の深化が見られたということもあります。
課題としまして,
地域の
団体等の調整ということで,ちょっと若干,
学校にも
負担増が見られるということはあります。
次,6ページのほうを見ていただきますと,
教職員,
学校体制の視点からということで,こちらのほうも成果としましては,月1回程度
実施するということで,そういった
取り組みは
子供たちに定着するということと,
保護者や
地域社会との
連携が深まって
学校に対する評価が高まると。
課題としましては,新しい
取り組みということで,準備でありますとか調整に
負担があったりとか,また
教員の場合は,ほかの団体,
社会教育関係であるとか
PTA関係の行事が集中する時期になりますと,そちらのほうの参加の必要がありますので,そういった
負担もふえてくるということです。
それから,
課題克服に向けた
取り組みとしましては,
子供でありますとか
教職員に対する
負担軽減の
考え方から,土曜日活用で,そういった
授業時数が増加する関係なんですけども,その一部を,平日の
授業時間を減らして
負担を平準化するということも考えられます。それから,
教職員の勤務の振りかえとしましては,原則的には,土曜日活用を勤務した前後の週の時間割りを工夫して順次振りかえというのが原則にはなるんですけども,中学の場合でしたら,例えば,
定期試験の1日目,2日目の午後というのは
部活動がありませんので,そういった午後に振りかえを設定することもできます。また,やむを得ない場合は
長期休業期間中の振りかえということで,
京都府の場合は土曜日勤務した後16週まで振りかえができますので,例えば,4月,5月に土曜活用しても夏の
長期休暇には振りかえができるという形になっています。
次,7ページをごらんください。
平成25年度,26年度の
実践研究の
状況でございます。
基本的な
考え方としましては,平成24年の12月に通知をしたようなんですけども──また後で見ていただいたらいいんですが,詳しくは
資料集のほうにも掲載しておりますけども,基本的な考えとしましては,まず
学習指導要領を
実施する中で,
子供たちに質の高い
学力をつけさせるということが必要であるというのとさまざまな体験を通して生きる力を育むのと両方が必要だという認識を示しております。さらに,開かれた
学校づくりの推進のためにも土曜日を活用することが重要であるということを述べております。
府教委の評価としましては,月に1回程度
実施することで効果が期待できるというふうに考えています。
それともう1つ,(4)のところなんですけども,基本的には
小・中学校におきまして土曜日に
教育活動に位置づけた
取り組みを
実施するかどうかというのは,あくまで
設置者である市町の
教育委員会の判断という形で考えておりますので,そういった市町の
教育委員会が
実施する場合は円滑に行えるように標準的な
実施内容でありますとか
留意点をお示しするというところで,それが実践の中で抜粋して掲載しております。
標準的な
実施内容としましては,
家庭・
地域との
連携による行事や
授業,
保護者や
地域住民等への
公開授業ということで,
子供たち自身が
地域に出ていく
体験活動も含めまして,
子供たちの
学力向上でありますとか
社会性の醸成などにつながるような
取り組みを想定しておりまして,こうした
取り組みを
学校単位あるいは
学年単位で
実施しているというようなところであります。
それと,
あと実施上の
留意点なんですけども,割と他府県とかの通知を見ていますと,土曜日を活用した
教育を
実施したいという区でありますとか
市町村というのがあって,それに答える形で
留意点というのを──文書が出ているわけなんですけども,
京都府の場合は,
実践研究をやっておりますので,それに基づいて
京都ならではの記述を加えているという形になっています。
特に,
実施上の
留意点の
2つ目のぽつのところなんですけども,
実施回数について,既にそれぞれの
市町単位で
授業時数の確保の
状況でありますとか,5日
制導入に当たりまして
社会教育団体等の協力にいろいろな
体験等のメニューが
実施されておりますので,そういったそれぞれの市町の
状況が異なっておりますので,それを見ながら総合的に判断していただきたいというふうに入れています。例えば,
授業時数の確保の
状況で言いますと,夏の
長期休業期間が終わるのが,いわゆる2学期が始まるのが9月1日の
市町村もありますし,早いところですと8月26日から始まっている
市町村もあります。それ,5日間だけでもかなり
授業時数が変わってきますので,そういった確保の
状況が違っているというふうになっております。
それと,
あと取り組みの
内容としましては,今年度,平成26年度を見ていただきますと──ちょっと済みません,これ,非常にわかりにくくて申しわけないんですけども──
小学校で165校,
中学校で74校,全部で239校で,これ,全体で見ますと75%ぐらいの
学校で今年度
実施する予定になっております。
あと,
実施頻度で見ますと,月1回が全部で38校,学期に2回が65校,学期に1回が136校というふうな形になっております。
最後に,8ページをごらんいただきたいんですけども,
府教委の
支援策としまして,
学力向上サポートチームの活用とあるんですけども,これは何かといいますと,特に
学力に
課題を有する
中学校に,全部で今年度13校なんですけども,週20時間の
非常勤講師を2名配置しまして,
学力向上のほうにちょっと力を入れてくださいというような
チームを派遣しております。
それともう1つ,
中2学力アップ集中講座というのがあるんですけども,こちらの──要は
基礎学力の定着に
課題がある
生徒でありますとか,発展的な
学習を行う,そういった
生徒を対象に
中学校で講座を開いてくださいと,そのための
非常勤講師で,大体なんですけども,年間約100時間ぐらいを上限に
非常勤講師を配置しておりまして,ただ,ちょっと条件をつけていまして,どちらも少なくとも1回は土曜に
実施するということを条件にしております。
私からの説明は以上でございます。
5
◯委員長(
岩田嘉晃) 木上様,どうもありがとうございました。
次に,
栗山様,よろしくお願いいたします。
6
◯参考人 それでは,失礼いたします。
学校教育課の
栗山と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど紹介がありましたように,私のほうからは──私も一昨年度まで
学校の現場で実際に
京都府のほうの指定を受けまして
実践研究をしてきた1人としまして御
意見を述べさせていただきますので,よろしくお願いいたします。
それでは,座って失礼いたします。
本日はプレゼンのほうを用意させていただきましたので,そちらのほうを見ていただきながら聞いていただいたらと思います。
京都府の土曜活用の
取り組みにつきましては,
先ほど木上担当課長のほうからも説明がありましたように,実際,
学校現場では──
京都府といたしましては,
教育課程内で
実施している
学校と,それから
教育課程外で
実施をしている
学校があります。また,
内容につきましても
市町村教育委員会あるいは
学校独自が計画を立てて,特に,
先ほど言いました質の高い
学力──
学力向上ですね,それを中心に取り組んでいる
学校と,それから生きる力を育むということで,
地域連携とか,あるいは小・中
連携等,そうした
取り組みを中心にしている
学校がございます。
私が取り組んできたものにつきましては,
先ほど最初に言いました
教育課程外で,それから
地域連携で
学校と
家庭,
地域社会が
連携・融合した
取り組みということで,ふだんなかなか
子供たちが
学校の中では経験できないような豊かな
体験活動,そういったものを実際に
実施をしてきました。実際に
取り組みまして,感想としましてよかったなと,後ほど成果と
課題というのをお話しさせていただきますけども,よかったなというふうに思っています。それはなぜかといいますと,やはり
子供たちが,ふだんも楽しく来るんですけども,土曜活用の日には,よりにこにことして楽しく来るという様子とか,あるいは
保護者・
地域の方がそれぞれ御理解をいただいて協力を得られると,そういったことがよかったなというふうに思っております。実際,どのような形で取り組んだかということを今から説明をさせていただきます。
まず,
実践研究を進めるに当たってのキーワードを3点挙げさせていただきました。1点目は,
保護者,
地域との
連携・融合ということです。特に,どの講座にも
保護者はもちろんのことですけども,
地域の方々にも
連携をしていただいて協力をしていただくということで
実施をしてきました。それから,2点目は開かれた
学校づくりということで,常に
学校を開きまして,特に作成した資料等につきましては
地域に配布をしたり,あるいは
学校便りで呼びかけたり,多くの方々に見に来ていただくということをしていました。また,近隣の
小・中学校にも声をかけて,毎回来ていただくというような形で
取り組みを進めてきました。それから,3点目は豊かな
体験活動ですけども,これが,
先ほども言いましたけども,ふだん
学校ではできないような体験をここで計画をするというようなことです。
この全ての
取り組みについて,なかなか,やはり
子供たちは人から認められることが少ない現状もありまして,
児童の自己肯定感とか,あるいは自己有用感を高めるために必要でないかなということを考えました。
それから,それぞれの計画を立てるときに,やはり
保護者や
地域の方々の
意見を聞く場を設けるということで,外──外部との会議といたしまして,推進協議会を,こういった方,代表の方に来ていただいて会議を年間約3回程度持っております。それから,また内部の会議ですけども,これは推進
委員会ということで,校務分掌に位置づけて,必要に応じて開催をし,年間約10回以上ですけども,10回程度は
実施をしてきました。その中でいろいろ計画を立て,反省をし,次につなげるという形でしてきました。
この
取り組みに関して,ふだんの
教育活動でも同様ではありますけども,特に人権
教育を基盤にした
取り組みをしていまして,やっぱり自分を大切に,人を大切にする
児童の育成ということで,そういった育成をしてきましたし,また全
教職員の協働体制のもとに1人1人を大切にする,そういった
取り組みを進めてまいりました。
また,府も
アンケートをされたんですけども,府とは別に
学校独自で
アンケートを
実施しました。特に
子供の土曜日の過ごし方について,どのように過ごしているかということを
アンケートしますと,これは低学年のグラフですけども,特にやはり家で過ごす,それから家族で出かける,そういった部分が低学年は多かったように思います。それから,中学年ですけども,中学年はやはり
習い事に行くという,そういったことや,あるいは土曜日は家族の人と出かけると,そういったことが多かったように思います。また,高学年になりますと,塾とかも行っているんですけども,やはり家で過ごしているというような
状況が多いように思います。そんな中で,やはり家でだらだら過ごして,どのように土曜日を過ごしたらいいかわからないという
児童もいるのは事実でございました。
あと,
保護者のほうにも
アンケートをとった中で,
子供にどのように土曜日を過ごしてほしいかという
アンケートの中で,特に平日とはやっぱり違う時間を過ごしてほしいとか,あるいは目的を持って有意義に過ごしてほしいとか,規則正しい生活をしてほしいと,そういうような項目が多かったです。
また,土曜活用の時間を利用してどのような
活動に取り組んでほしいかという,こういった質問に対して,特に
保護者については,日ごろできないようなこういった体験ですね,
学習も含めてやと思うんですけど,そういったこと,あるいは学年を超えた
取り組み──1年生,2年生だけじゃなくて,やっぱり異年齢集団での
取り組み,そういったことをしてほしいというようなこと,それから
地域の方々と触れ合う機会をたくさん持ってほしいとか,そういったものもありました。逆に,土曜日ぐらいゆっくり家で過ごしたほうがいいんじゃないかという少数
意見もございました。そういった
アンケートの結果でした。
あと,
保護者・
地域との
連携の中で,3点考えたんですけれども,1つは
地域人材の活用,それが1点です。それから,2点目は
児童に豊かな
体験活動をということで,
先ほどのキーワードとも関連しますけども,それから3点目は
保護者・
地域とのつながりを大切にしていくということで,こういった3点につきましては,
京都府も言っているんですけども,やはり包み込まれているという感覚を
子供たちに持たせるという,そういったこと──これはふだんの
授業の中でもそうなんですけども,土曜活用もそういったことで
取り組みを進めましたし,特に社会総がかりで
子供を育てると,そういった視点での
取り組みを推進してきました。
保護者・
地域との
連携の中では,ここに書いていますように,たくさんの方が毎回講座に協力をしていただいたり,あるいは見に来ていただくだけにはなりますけども,そういったことがありましたし,また
地域で
子供たちと出会いますと,この前,いいのをつくっていたなとか,そういった声かけもいろんなところからしていただいて,
子供たちの自己肯定感が高まると,そういった
取り組みもございました。
この
取り組みに関しまして,若干,写真のほうをちょっと用意させていただきましたので,そちらのほうを映させていただきたいと思います。5分ぐらいありますので,よろしくお願いいたします。
(写真上映)
7
◯参考人 済みません,ありがとうございました。
今,特に,豊かな
体験活動の様子なんですけども,今見ていただいたとおりなんですけども,その中で特に
京都府として他団体との調整,その辺が難しいというようなことを
先ほど課長のほうも言っていましたけども,私のほうもそういったことをちょっと考慮に入れながら,
スポーツ少年団との交流ですね,そういったものも一緒にさせていただいて,
学校の
児童だけじゃなくて,ほかの
学校の
児童との交流もこの中ではさせていただいているような
状況です。
それから,これは,本校ではないんですけども,
京都府としましても,こういった土曜日を活用した防災の関係ですけども,引き渡し訓練とか,そういったものとか,あるいは小中の
連携の
取り組みで小学生が
中学校の
クラブ活動に行って中学生に教えていただいたり,顧問の先生に教えていただくような形,また
中学校の小中
連携で取り組んでいる
学校ですけども,中学生が
学校案内をしてくれるとか,そういった
取り組みもしていますし,またそれ以外にも,
先ほど言いました質の高い
学力ですね。特に
学力補充にも取り組んでおります。また,
学校公開ということで,それぞれ
授業参観あるいは音楽発表会等々のそういった参観にも取り組んでおります。また,
スポーツ体験とか,あるいは昔遊びの交流とか,そういったものもしております。
あと,最後になりますけども,成果と
課題について若干お話をさせていただきます。
まず,成果ですけども,特に
保護者,それから
地域の方々と共通の話題で話し合うことができて,多くの人とのつながりを深めることができました。また,関心が大変──
保護者・
地域の方の関心が高まりました。それから,
児童の体験がより充実したものとなり,
児童の学びが深まりましたし,また
教職員にとっても
子供たちの笑顔を見て達成感とか,あるいは成就感が見られましたし,また
地域の方々とコミュニケーションがとれて大変充実感が味わえたという
意見もありました。また,
地域の方々のさまざまな経験や能力が生かせる自己実現の場になったということで,毎回生き生きとして楽しく来ていただけるということもありました。また,
保護者からも
学校の
取り組みに十分な理解を得る機会となって,
学校や
教職員への信頼も高まっていったというようなことがございます。
それから,
課題なんですけども,
課題につきましては,やはり今後,
地域の人材の発掘により一層努めていかなければならないなということと,それから
地域社会とのさらなる
連携・協働の
あり方を考えていくということ,それから,
あと,
先ほど課長のほうからも言いましたけども,若干やっぱり
教職員の
負担感,そういった部分の解消もありますし,それから勤務にかかわる振りかえ等,こういったものを確保していくという,そういった
課題もございますけども,特にそういった部分を今後,大きな
課題として
取り組みを進めていきたいというふうに考えています。
今後も
京都府としましては,土曜日を有効に活用して,
児童・
生徒の
学力向上,そしてさらなる豊かな体験をしていくわけですけども,市町,
学校がやっぱり取り組んでいかれる,そういった部分を支援・援助できたらいいなというようなことを考えております。
私のほうからは,以上で発表を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
8
◯委員長(
岩田嘉晃)
栗山様,どうもありがとうございました。
それでは,ただいまからお二方よりいただきました
意見陳述に対しまして,せっかくの機会でございますので,御質疑等ございませんか。
9 ◯
委員(大石よしのり) 貴重なお話,ありがとうございました。
少しお尋ねしたいんですが,この
取り組みをするに当たって特別に予算を計上されたんでしょうか。
10
◯参考人 今回について,特に特別に予算計上というのはなくて,ただ,当然,
アンケートとかをしますとどんどん費用は発生するわけなんですけども,それは一般の予算の中でやっています。
あと,
実践研究もしていますので,その分については,ふだん研究したりしますと,一定は
市町村に対しては補助というような形ですけども,そんなに何十万,何百万じゃないので,一般的な経費の中で算出しておりました。
11 ◯
委員(大石よしのり) ありがとうございます。
非常に私は肯定的な
意見を持っていまして,どんどん
取り組みたいなと思っているんですけれども,例えば,
地域ボランティアの方とは別にプロとおぼしき講師の方も来られていたと思うんですが,そういう方にギャラのお支払いとかが発生したのかどうかとか,
あと,お料理教室をされていて,野菜なり,実際に教材費がかかってくると思うんですが,そういうのを捻出,もしくは
生徒からの徴収というのはあったんですか。
12
◯参考人 講師の謝金の分なんですけども,それについては,一応発生はしていますけども,そんなに多額の謝金ではないということと,それから金というよりも品物でお礼,そういう形になる。それは,
先ほど府のほうからも言いましたけども,そちらのほうの若干の予算をいただく中で計上し,それからそれがない場合は
学校の予算の中で賄っているというような
状況です。
それから,材料費等も同じなんですけども,そういったもので,そこの予算の中,あるいは
学校の予算ということと,それから野菜等々ありますけども,そういったものは,若干,
学校とかでもつくったり,
子供がつくったものを使うというような,そういったこともしておりました。
13 ◯
委員(大石よしのり) ありがとうございます。
東京なんかの区ごとの
取り組みを見ますと,同じような
取り組みもされているんですが,一般企業とのコラボみたいなこともされていまして,全く,企業の場合は,CSRで──社会貢献で
学校に乗り込んでいって,ある程度ちょっとその企業のアピールもしながら,全くギャラが発生しないような形でされていたり,
あとサッカーでも
地域の少年団のサッカー
チームというよりは本当のJリーグの東京ヴェルディが乗り込んでいってというような,非常に多岐にわたって
活動を──一般企業とコラボされているんですけれども,
京都府さんはそんな実績等々はございませんか。
14
◯参考人 京都府も同じように,サッカー
チームでしたら
京都サンガがありますので,サンガはかなり幅広くいろんな
小・中学校に行っていただいて
指導みたいなのをしていただいていますし,企業のほうも,これはちょっと
学校にもよりますので,そういった,いわゆるそういう積極的な企業についてはかなり月1回程度来ていただいているようなところもあります。
あと,
京都の場合は,
古典芸能とかでもかなりいろいろと専門家の方もおられますので,この場合は,
京都府のほうが,
教育委員会ではないんですけども,知事部局のほうで予算を組んで,それでいわゆる橋渡しみたいな形で──ただ,これは土曜日に限らず,平日に
実施する場合もあるんですけども,例えば,能であるとか狂言であるとか,それから
あとオーケストラであるとか,そういったもの,実際に
小・中学校に出向いて
指導を行うというような形もあります。
以上です。
15
◯委員長(
岩田嘉晃) 他に御質疑はございませんか。
16 ◯
委員(松本のり子) 大変,本当勉強になりました。ありがとうございました。
よくわからないんですが,土曜日の
授業というのは,私のときは半日だったんですが,これは半日なのか1日なのか,ちょっと教えていただきたいのと,それに,今いろいろ読書ボランティアとか太鼓とかいろんな
取り組みを見せていただいたんですが,そういうのって結構,今,
授業の中で,週5日
授業をやっている中で組み込まれていると思うんですね。私もきょう,ここの市役所に来る前にちょうど駅で知り合いに会ったら,今から灘区の
小学校の絵本の読み聞かせ──3年生──それに行くんですよと言っていましたので,結構いろんな
取り組みを今やられている──ゆとり
教育とか,何かそういうのがあってやられていると思うんですが,それがやはりオーバーラップしてきたから土曜日の
授業を
京都府さんでは新たにされるのか,もしそうだったら,週5日の
授業体系が,やっぱりどこか問題が──何か文科省はこういうところに問題がありますよというのはちょっと余り見ていないんですが,検証というのが何か国のほうとかであったのかどうか,その辺をちょっとお聞きしたいのと。
土曜日,結構,この資料で,
子供たちがゆっくりのんびり何かおうちでだらだらしているというのが半数近くあったと思うんですが,のんびりゆっくりだらだらと──すごく私は必要なことだ,必要じゃないんかなと思うんですよ。私も毎日何かばたばたやっていますと,本当に家でごろごろするということが次の翌日のステップアップにつながっていって,すごく精神衛生上だらだらって必要じゃないんかなと思うんですが,その辺,
子供たちは土曜日やることによって何かひずみが出てきていないのかどうか,その辺をよろしくお願いします。
17
◯参考人 まず,一番最初,土曜日の半日,1日なんですけども,原則的には午前中だけという形でお願いしております。ですから,
授業する場合でしたら
教員の勤務のこともありますので,3時間目までということで,そうすると大体12時までには終わりますので,そういう形にさせてもらっていますし,行事も基本的には午前中で終わるようにということでお願いしております。
それから,
授業の
地域連携とか,いろいろあるかと思うんですけども,1つ,開かれた
学校という観点で,いろんな
地域の方でありますとか
保護者の方に
学校を知っていただくというような,そういう観点もあるかと思います。同じいろいろ行事をする場合,
地域の方であるとか,いろんな企業の方とか,平日にしていただく場合と土曜日にしてもらえるとなると,土曜日にしていただくほうが当然いろいろ
地域の方,
保護者に見ていただくようなことがかなり可能になりますので,そういった観点からも,できたら土曜日にしたほうが
学校をわかっていただく,
学校を知っていただくという観点でいいかなというふうに考えて土曜日にしております。
それと,最後に3点目なんですけども,当然,リフレッシュするためには,
子供たちも大人も当然なんですけども,休憩というのは必要なんですけども,ただ,一番最初に,平成23年度に
検討会議をする前に
教育委員会の中でまず検討したときは,土曜日に
子供たち,かなり野球をやっている子やらサッカーをやっている子やら
習い事をやっている子やらがいろいろいるけども,あれ,全員やっているかなという話を考えたときに,いや,そうじゃなくて,やっぱりそういうところにも参加せずに家でテレビを見たりとかテレビゲームをしたりとか,それでずっと土曜・日曜2日間過ごすという,そういう子もいたら,そういうのというのはやっぱりもともとの社会総がかりで
家庭とか
地域とか
学校がみんなで
子供たちを育てるとか育むというのにはどうかなというので,まず検討してみようということから23年
検討会議をしましたので。
それともう1つは,土曜日,必ずしもこれ,毎週やっているわけじゃなくて,できる範囲内で,最低学期1回で,できたら月1回やってくださいと,その辺は検討しながらやっていただきたいという形で
京都府のほうは
実施しております。
以上です。
18 ◯
委員(松本のり子) 済みません,
先ほどちょっとお聞きしました,今,週5日制について文科省から何か,今10数年,10年ぐらいですか,やってきた中で土曜日もやってもいいよというふうになっているんですけども,この5日制の問題点とか,その検証とか,何かそういったものって出ているんでしょうか。
19
◯参考人 私どものほうには,特に文部科学省のほうからそういった検証と問題点は特には聞いておりません。
20
◯委員長(
岩田嘉晃) 他に御質疑はございませんか。
(なし)
21
◯委員長(
岩田嘉晃) なければ,次に,本件に関連して,当局に対する質疑,神戸市会側の当局に対する質疑等はございますか。
(なし)
22
◯委員長(
岩田嘉晃) 他に質疑がなければ,本件に関しまして審査はこの程度にとどめたいと存じます。
当局,どうも御苦労さまでございました。また,
参考人のお二方におかれましては,これをもちまして退席されます。木上様,そして
栗山様,ありがとうございました。
なお,
委員の皆様におかれましては,市民参画推進局が入室するまで自席でお待ち願います。
(市民参画推進局)
23
◯委員長(
岩田嘉晃) それでは,これより市民参画推進局関係の審査を行います。
それでは,報告事項1件について,当局の報告を求めます。
24 ◯大谷市民参画推進局長 それでは,お手元にお配りしております
文教こども委員会資料によりまして,報告1件につきまして,御説明申し上げます。
1ページをお開きください。
神戸ビエンナーレ2013の検証報告について,御説明申し上げます。
神戸ビエンナーレ2013の検証につきましては,基本方針を策定した神戸ビエンナーレ2013企画
委員会の
委員を中心に,外部の学識経験者の方にも加わっていただき,さらに今回は美術評論家など外部の専門家の
意見もお聞きして報告書として
まとめていただきました。
I総括でございますが,今回の検証は,2015年1月に震災20年の節目を迎えることや8年間で計4回の開催の中で幾つかの
課題も見えてきたことなどから,神戸ビエンナーレ2013の検証とともに改めてビエンナーレを始めた経緯とこれまでの
取り組みについて振り返り,過去4回の検証が行われました。
(1)経緯では,神戸の歴史や震災体験を踏まえた2004年12月の神戸文化創生都市宣言が原点であることが確認されております。
続いて,(2)
取り組みとその評価でございますが,神戸ビエンナーレの基本方針と基本理念,テーマを振り返った上でこれまでの
取り組みについて評価されております。
2ページをお開きください。
神戸ビエンナーレは,アートを現代アートに限らず,絵画や彫刻といった従来の芸術領域,広義の意味でファッションや工学などのデザイン,生け花や陶芸などの伝統芸術やエンターテインメント等も取り上げ,新たな形の芸術祭を目指してきました。
その結果,これまで4回の開催で計90万人を超える方々に御来場いただきました。特に,第1回より
実施してきたアートインコンテナ国際展は,海上コンテナを使った均一空間でのコンペティションで,ほかには例がない神戸ビエンナーレだけのユニークな,かつチャレンジングな
取り組みとして大きな成果を上げてきました。また,しつらいアート展や神戸港・海上アート展,元町高架下アートプロジェクトなどの展開により,まちの資源の再認識・再評価と魅力発信を目指した結果,多くの人が会場を訪れ,実際に港や商店街のにぎわいづくりにもつながりました。
こういった
取り組みが評価され,神戸ビエンナーレはグッドデザイン賞や文化庁長官表彰を受賞し,文化庁の平成25年度
地域発・文化芸術創造発信イニシアチブの補助事業にも採択されました。
人材育成の観点からは,毎回さまざまな分野の複数のコンペティションを
実施し,新進アーティストの発掘・育成に取り組んできました。その結果,アートインコンテナ国際展を初めとするコンペティションには4回で延べ3,077人のアーティストに御応募いただくとともに,入賞作家がほかの芸術祭に招待されたり,ほかのコンペティションで入賞するなど,一定の成果があらわれてきております。
このように,文化創生都市の実現に向けて,まちづくりと人づくりを目標に開催してきた神戸ビエンナーレは,着実にその目標を達成してきたとの評価をいただいております。
一方で,(3)今後の方向性でございますが,神戸ビエンナーレは,多彩なジャンルを取り入れることが特色であり,回を重ねるごとに新たな
取り組みを展開してきた結果,事業の幅が広がり過ぎ,事業の根幹である理念・目的がわかりにくくなっているという指摘があります。また,震災から20年の節目を迎えるに当たり,震災文化という観点も必要ではとの御
意見もありました。
アンケート等では,ビエンナーレの意味がわからないなどの
意見もあることから,広報PRの強化などにより,認知度を上げ,さらに集客を増していくことも
課題とされております。
内容に関しては,コンペティション中心で,作品の質のばらつきも指摘されることから,コンペティションのよさを生かしながら展示水準を維持するため,ビエンナーレ全体の構成や展示方法について十分に検討する必要があると指摘されております。
右のページに移りまして,開催場所については,過去3回はメリケンパークをメーン会場とし,神戸らしく国内外を回遊してきた輸送用コンテナを展示空間として活用してまいりました。毎回工夫しながら設営を行い,来場者へのもてなしや運営面の
負担軽減にも配慮してまいりましたが,コンテナ内の温度上昇による作品の故障など,作品を鑑賞する環境の問題もビエンナーレ全体の評価に影響を与えると指摘されております。
また,アートインコンテナ国際展については,コンテナの中にアートを展開する意外性,斬新さが評価され,毎回レベルも上がってきましたが,その一方で応募数は減少傾向にあり,変化を求める声も出てきています。さらに,市民参画の点では,ボランティア登録者数は減少傾向にあり,
活動も低調になってきています。現在のアートプロジェクトは,市民参加を促し,イベント運営を支えるパートナーであるボランティアの
活動なくしては成り立たないことから,より多くの人がボランティアとして参加したくなるような魅力づくりと仕組みづくりも重要な
課題と指摘されております。
このように,神戸ビエンナーレは,過去4回の開催を重ねてきた結果,文化創生都市づくりに大きな役割を果たし,評価を得る一方で,
先ほど述べたような諸
課題も指摘されるようになってきました。全国各地で芸術祭が開催される中で,神戸の独自性を主張し,さらに進化していくためには,評価されている点は継承するとともに,必要な見直しを行いながら新たな
取り組みを進めることが望まれます。
これらの指摘を踏まえ,3ページ下方から4ページにわたりまして四角囲いで示しておりますように,8つの提案がなされております。
1つ目に,コンセプトの明確化でございます。今後,神戸ビエンナーレがさらに進化していくためには,基本理念そのものをもう1度精査し,選択と集中を行う必要があるのではないか,神戸ビエンナーレのコンセプトをより明確にした上で必要な事業の見直しを行ってはどうかという提案がなされました。その上で,
2つ目のコンペティション,企画展示の見直しや,4ページに移りまして,3つ目の開催場所の見直しを検討してはどうかという提案をいただいております。また,ボランティアを初めとした市民参画の充実,デザイン都市や,海外を含めた芸術文化
活動の
連携強化についても重要であることや,神戸ビエンナーレに多くの方に関心を持っていただき来ていただくための広報PRの強化,さらにこれらの提案を実現していくための組織体制の見直しや財源の確保についても提案をいただいております。
5ページ以降では,今後の神戸ビエンナーレ2013の検証で,I開催概要,以下項目・事業ごとに検証を行っていただいております。その
内容の詳細につきましては,添付しております神戸ビエンナーレ2013検証報告書本体を御参照ください。
今後,この検証報告書の
内容を踏まえながら,次回ビエンナーレの開催に向け,企画
委員等の人選を進め,会場や開催時期等を検討し,基本計画の策定に向けて取り組んでまいります。
以上で,報告1件につきまして御説明を終わらせていただきます。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
25
◯委員長(
岩田嘉晃) 当局の報告は終わりました。
これより質疑を行います。
まず,報告事項,神戸ビエンナーレ2013の検証報告について御質疑はございませんか。
(なし)
26
◯委員長(
岩田嘉晃) 御質疑がないようでしたら,市民参画の審査はこの程度にとどめたいと存じます。
当局,どうも御苦労さまでした。
27
◯委員長(
岩田嘉晃) 本日協議していただく事項は以上であります。
本日の
委員会はこれをもって閉会いたします。御苦労さまでした。
(午前11時3分閉会)
神戸市会
事務局
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